Exhibitions

伊藤泰雅 展

―結晶する風景―

2025年7月18日(金)~8月3日(日)<11:00~17:30>

御代田 Arte Contemporary

<作家在廊日 7月20日(日)午後、21日(月・祝)午前>

※休廊日 火・水曜日


・作家のメッセージ
私は光に希望や生命などをイメージして絵画にしたいと思いました。ある時夕暮れの街の灯りを見て、その一つ一つには人の生活や団らんなどがあり儚くも尊いと感じたのです。それから日常生活の中に「光」を探すようになり、現在、私は街の灯りの他、水面の光、木漏れ日、窓に映る枝葉の影などをモチーフとして油彩画で表現しています。
光を画面に現すためにまず油彩で艶のある白地を作ります。そこに叩き筆というやり方で色を塗り込んでいくと塗らなかった白地部分が光に見えてきます。叩き筆のリズムにも乗って次々と光を作る行為に没入します。このように夢中で制作していると自分でも意図しなかった美しさが現れることがあります。作者が主体で絵を描くというより作品が生まれる瞬間に立ち会うような感覚です。この無意識のうちに想定外にできてくる色、形、そして空間を「結晶する風景」と名付けました。「結晶する風景」は私の制作と作品の大きなテーマとなり現在に至ります。作品一つ一つにもそれぞれにストーリーがあり、副題はそれを示唆するもので、その絵の名前です。
私は私の絵画における理想に近づくため試行錯誤を重ねてきました。その結実であるこれらの作品を多くの方にご覧いただく事が私の願いです。(伊藤泰雅)

・ギャラリーから
伊藤泰雅作品を前にした時に覚える、ある種の心地よさと安心感は、画面に宇宙の広がりと光の中の生命の輝きがあり、そこに美が創造されているからだと言えましょう。


「光の旅―#1,#2/100」 キャンバスに油彩 162×260.6x3cm


橘 葉月 展

―私はここにいて、同じ窓を見ている―

2025年6月7日(土)~6月29日(日)<11:00~17:30>
御代田 Arte Contemporary

※休廊日:火・水曜日


橘葉月の作品は美しい。一見すると日本の伝統的な墨絵のようにも見える彼女の作品は、全てキャンバスに油絵具とアクリル絵具で描かれています。作家は自らに関心のあるテーマを探して、それに取り組みます。絵を描くことで、自分と世界の関係を調整することを願っているのが、多くの作品制作者の気持ちでしょう。橘葉月は、どのようにこの世の中に存在してゆくべきかといった問題を、自分にとって切実なものとして捉える年頃にいます。自分への関心がとても強く、自分の中にあるものを吐き出したいとか表現したいという気持ちだけで制作された作品は、外見は強いように見えてもすぐに魅力が失せてゆきます。観る人に訴える力に限界が出てきて、作品が評価される期間も短いものとなるからです。強すぎる自己愛の克服が芸術家にとっても、大事な事となります。古今の優れた芸術家に共通する特徴は他への関心です。そしてこの世界がどのようにできていて、自分の位置はどこかにあるのかを絶えず確認しようとする態度です。橘葉月さんが芸大を卒業するに際して設定したテーマが、どうしたら他者と認識を共有できるかという、他者と世界への強い関心であったということを、私たちは記憶しておくべきでしょう。そのような強い関心を背景に生まれ出てきた、同一人物にも見える顔が大きいものから小さいものに、一つの画面に順番にリズムを感じさせて描かれている作品からは、不思議で特別な感覚を得ることができます。何故かわからないけれど、忘れられない不思議な魅力があると感じられるとき、その作品は既に観る人の人生の一コマを創ったと言えるでしょう。Arte Contemporaryは若手作家を支援しています。

「私はここにいて、同じ窓を見ている」
キャンバスにアクリル、油彩 144.5×144.5cm

 


「大きくなれば、いつか全ての人を抱きしめることができる 25 – 2」
キャンバスにアクリル、油彩
97x130cm

「大きくなることを想像する、その手は温かい」
キャンバスにアクリル、油彩
72.8x61cm

「実寸大の自画像 25 – 1」
キャンバスにアクリル、油彩
80.5x80.5cm

「鏡を通した大きさ 25 – 3」
キャンバスにアクリル、油彩
60.2x50.2cm

「鏡を通した大きさ 25 – 2 – 視点」
キャンバスにアクリル、油彩
45.5x38cm

「鏡越しに目が合う – 低い視点」
キャンバスにアクリル、油彩
22.7x15.8cm

「正面を見る人」
キャンバスにアクリル、油彩
27.5x22cm

伊藤泰雅 展

―結晶する風景―

2024年12月7日(土)~25日(水)<10:30~18:00>

御代田 アルテ ギャラリー

<作家在廊日 12月14日(土)、15日(日)>

※休廊日 12月11日(水)、12月18日(水)


「自然は心地よいリズムを持っている。そしてそのリズムは自分の中にも在る。自分の身体的リズムが自然のリズムと同調した時、絵画は結晶する」(伊藤泰雅)

伊藤泰雅の絵画は見たものを描いた作品ではなく、何かの記号として表されたものでもありません。私たちが言葉以前に抱く、言葉にできないイメージが表現されていて、動きを感じさせる画面は無意識の領域における生命の躍動の記録のようにも見えてきます。
無意識を軸に生命と世界との関係が感じられるのが伊藤泰雅の作品で、絵画の画面に宇宙の広がりと生命の輝きがあり、そこに美が見つけられると言えましょう。


「結晶する風景―光の波」 キャンバスに油彩 S80x2(145.5x291x2.7cm)


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